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浅草六区 - 「明治開化 安吾捕物 その四 ああ無情」 坂口安吾 1951(昭和26)年1月1日

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2018年10月8日
  • 読了時間: 1分

 最後に新十郎は浅草六区の地に立った。飛龍座をはじめ、小屋の一ツ一ツをメンミツに見て廻る。全部見て廻ってから、飛龍座の隣りの休業中の小屋へもう一度戻ってきた。飛龍座の楽屋口から、こっちの楽屋口へ細い路を距ててすぐ渡れるような構造であった。

 彼は番人をよんで、 「この小屋はズッと休んでいるのかね」 「ヘイ。とりこわして、新しい小屋をたてるとかでね。常盤座とかいう浅草一の立派な小屋をつくるとかいうことで」 「留守番はお前だけか」





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