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浅草花やしき(花屋敷) - 「私のこと」 木村荘八 1949(昭和24)年2月20日

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2018年9月28日
  • 読了時間: 1分

 小学校を田中咄哉州と同窓だつたのは、年経て、つゝ井づゝの同窓が末長く同業でゐるといふことは珍らしい例なることを段々と再認識します。咄哉州はあにさんの金チヤンと共に小さいころから器用で、よく浅草公園の花屋敷にあつたダークのあやつりの水族館をボール箱の中に作つて遊びました。ぼくも幼少の頃から絵ずきで、友達との遊びといへば何彼につけ絵に関係のあることばかりでした。極く小さい時分に、毎日のやうに茄子や胡瓜、かぼちやなどが、黒門のところで鎧兜で戦ふ絵を描いたのをおぼえてゐますが、これは恐らく芳藤のおもちや絵、絵草紙から学んだものだつたらうと後に回想されます。




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