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見世物 - 「柳営秘録かつえ蔵」 国枝史郎 1926(大正15)年1月5日-15日

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2018年9月28日
  • 読了時間: 1分

 天保元年正月五日、場所は浅草、日は午後、人の出盛る時刻であった。大道手品師の鬼小僧、傴僂で片眼で無類の醜男、一見すると五十歳ぐらい、その実年は二十歳なのであった。

「浅草名物鬼小僧の手品、さあさあ遠慮なく見て行ってくれ。口を開いて見るは大馬鹿者、ゲラゲラ笑うはなお間抜け、渋面つくるは厭な奴、ちんと穏しく見る人にはこっちから褒美を出してやる。……まず初めは小手調べ、結んでも結べない手拭いの術、おおお立会誰でもいい、一本手拭いを貸してくんな」




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