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「浅草とは?」 - 「残されたる江戸」 柴田流星 1911(明治44)年5月

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2018年10月11日
  • 読了時間: 1分

 浅草趣味は老若男女貴賤のいずれとも一致する、したがって種々に解釈され、様々に説明される。  少年少女の眼には仲見世と奥山と六区とにかれらの趣味を探ぬべく、すなわち彼処にはおもちゃ屋と花やしきと見世物とがある。青年男女には粂の平内と六地蔵と観音裏とにその趣味を見出すべく、すなわち其処には願がけの縁結びと男を呼ぶ女と、女に買わるる男と、銘酒屋と新聞縦覧所と楊弓店と、更には大金と一直と草津とがある。独り老男老女に取っては伝法院と一寸八分の観世音菩薩と淡島様とに彼の趣味を伴う。ここには説法と利生とあらたかとが存する。




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