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浅草の食 - 「如何なる星の下に」 高見順 1939(昭和14)年1月-1940(昭和15)年3月

 喫茶店「ハトヤ」の前に来ていた。入ろうかと、ドサ貫とバーテンダーのどちらへともなく言って暖簾から覗くと、満員であった。ここはいつだって満員でない時はないが、客の多くは六区の小屋の人々で、それが一杯五銭のコーヒーでほっと一息ついているのや、ホット・ドッグの腸詰の代りにカレー・ライスのカレーを入れたカレー・ドッグというのを頬ばっているので、狭い店のなかはいっぱいである。





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