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「浅草とは?」・浅草広小路 - 「大東京繁盛記 下町篇 雷門以北」 久保田万太郎 1927(昭和2)年6月30日-7月16日

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2018年9月29日
  • 読了時間: 1分

更新日:2018年10月3日

 ……浅草で、お前の、最も親愛な、最も馴染のふかいところはどこだときかれれば広小路の近所とこたえる外はない。なぜならそこはわたしの生れ在所である。明治二十二年田原町で生れ、大正三年、二十六の十月までそこに住みつづけたわたしである。子供の時分みた風色ほど、山であれ河であれ、街であれ、やさしくつねに誰のまえにでも蘇生って来るものはない。――ことにそれが物ごころつくとからのわたしのような場合にあってはなおのことである。




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