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浅草広小路・屋台・夜店 - 「如何なる星の下に」 高見順 1939(昭和14)年1月-1940(昭和15)年3月

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2019年6月8日
  • 読了時間: 1分

 浅草の広小路は、吉原と同じように昼と夜とではまるで表情を異にするのである。夜になると、――昼間、のどかな陽が射していたその片側に、食いものの屋台がズラリと立ち並び、多くは暖かい食いものを売るその暖簾のなかには、どれもいっぱい人がつまり、顔は隠されるが下は丸見えのその足もとには、どこから現われるのか、眼を爛々と光らせた犬がうろうろしていて、まことに、なんというかさかんな光景を呈するのである。





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