隅田川・大川 - 「大川の水」 芥川龍之介 1912(明治45)年1月浅草文庫2018年9月11日読了時間: 1分 銀灰色の靄と青い油のような川の水と、吐息のような、おぼつかない汽笛の音と、石炭船の鳶色の三角帆と、——すべてやみがたい哀愁をよび起すこれらの川のながめは、いかに自分の幼い心を、その岸に立つ楊柳の葉のごとく、おののかせたことであろう。 浅草文庫 「大川の水」 芥川龍之介 1912(明治45)年1月
隅田川・大川・屋形船 - 「残されたる江戸」 柴田流星 1911(明治44)年5月川びらきの夜に始まりて、大川筋の夕涼み、夏の隅田川はまた一しきり船と人に賑わうをつねとする。 疇昔は簾かかげた屋形船に御守殿姿具しての夕涼み、江上の清風と身辺の美女と、飛仙を挟んで悠遊した蘇子の逸楽を、グッと砕いて世話でいったも多く、柳橋から枕橋、更には水神の杜あたりまでも
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