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吉原遊郭(新吉原) - 「桜林」 小山清 1951(昭和26)年7月1日

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2018年10月5日
  • 読了時間: 1分

 私は浅草の新吉原で生れた。生家は廓のはずれの俗に水道尻という処に在った。大門から仲の町を一直線に水道尻に抜けて検査場(吉原病院)につきあたると、左がわに弁財天を祀った池のある公園がある。土地の人は花園と呼んでいるが、その公園の際に私の家は在った。新吉原花園、そんな所書で私の家に音信のあったのを覚えている。子供の私たちは其処をまた「桜林」と呼び馴染んで、自分たちの領分のように心得ていた。事実桜林は私たちのチルドレンス・コウナアであった。




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