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江戸三座・猿若町 - 「源之助の一生」 岡本綺堂 1936(昭和11)年7月

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2018年9月26日
  • 読了時間: 1分

 二十三年の七月、市村座――その頃はまだ猿若町にあった――で黙阿弥作の『嶋鵆月白浪』を上演した。新富座の初演以来、二回目の上演である。菊五郎の嶋蔵、左団次の千太は初演の通りで、団十郎欠勤のために、望月輝の役は菊五郎が兼ねていた。ただひとり初演と違っているのは源之助の「弁天おてる」であった。この狂言の初演は明治十四年で、その当時は半四郎の「弁天おてる」に対して、源之助はその女中のおせいという役を勤めていたのであるが、今度は自分がおてるを勤めることになった。しかも世間がそれを怪まないほどに、彼の技倆も名声も高まっていたのである。




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