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花見・吉原遊郭(新吉原) - 「桜林」 小山清 1951(昭和26)年7月1日

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2018年10月5日
  • 読了時間: 1分

 お糸さんの話をしよう。お糸さんが私の家に来たのは桜どきで、吉原はちょうど夜桜の頃であった。  吉原の桜は八重咲きが多く、上野や向島よりは遅れて咲いた。花の開く頃になると、馬力や荷車に附けられて、桜林から仲の町に移された。大門口から水道尻まで、桜のあるところは青竹の欄干で囲われ、その囲みの中に朝顔灯籠が点し連ねられた。葉桜になってしばらくすると、また根こぎにされて、桜林へ運ばれるのである。




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