玩具・仲見世 - 「我楽多玩具」 岡本綺堂 1919(大正8)年1月
- 浅草文庫
- 2018年9月26日
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更新日:2018年10月3日
私は九歳の時に浅草の仲見世で諏訪法性の兜を買ってもらいましたが、錣の毛は白い麻で作られて、私がそれをかぶると背後に垂れた長い毛は地面に引摺る位で、外へ出ると犬が啣えるので困りました。兜の鉢はすべて張子でした。概して玩具に、鉄葉を用いることなく、すべて張子か土か木ですから、玩具の毀れ易いこと不思議でした。槍や刀も木で作られていますから、少し打合うとすぐに折れます。竹で作ったのは下等品としてあまり好まれませんでした。

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