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馬車鉄道・路面電車 - 「妖術」 泉鏡花 1911(明治44)年2月

  • 執筆者の写真: 浅草文庫
    浅草文庫
  • 2018年9月23日
  • 読了時間: 1分

 やがて、心着くと標示は萌黄で、この電車は浅草行。  一帆がその住居へ志すには、上野へ乗って、須田町あたりで乗換えなければならなかったに、つい本町の角をあれなり曲って、浅草橋へ出ても、まだうかうか。  もっとも、わざととはなしに、一帳場ごとに気を注けたが、女の下りた様子はない。

 で、そこまで行くと、途中は厩橋、蔵前でも、駒形でも下りないで、きっと雷門まで、一緒に行くように信じられた。




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